「凧の博物館」の看板 (照片由: Hanako Uchino)

たいめいけん 凧の博物館

レストラン「たいめいけん」が所有する凧のコレクション。

1931年(昭和6年)創業の「たいめいけん」。日本橋では老舗の洋食屋で、伊丹十三さんの映画『タンポポ』で有名になった「たんぽぽオムライス(伊丹十三風)」があるお店です。たんぽぽオムライスは、お皿に盛ったチキンライスの上に中が半熟のプレーンオムレツがのっており、そのオムレツを食卓で開いて食べます。開いた時の姿が、野に咲くタンポポのような形になるのでこの名前がついたのだろうと思います。

さて、この絶品オムライスを食べるために「たいめいけん」へ行くのですが、先日、お店の看板の下に面白いものを見つけました。粋なやっこ凧の看板に「凧の博物館」と書いてあります。せっかくなので食事の前に覗いてみることにしました。エレベーターで5階まで行き、ドアが開くと博物館の入口になっています。入場料を払おうとして窓口の様子を覗うと奥の方で作業をしていた男性が驚いた顔をして出てきました。「博物館は17時で閉まるから、もう入場料はいらないよ」と言います。時間を確認すると16時40分でした。しんとした展示室に所狭しと並ぶ世界各国の凧。あまり来場者がいないようで、展示品は雑然と並べられているけれど、見たことがない形や珍しい素材の凧があって興味深い。本物の鳥の羽を使ったものや、帆舟の形をしたもの、『ゲゲゲの鬼太郎』に出てくるイッタンモメンの凧やムカデ凧と呼ばれる連凧、等身大の落ち武者の形の凧などが所狭しと並んでいます。形だけでなく、大凧に描かれている力強い絵も見ものです。これらは凧絵師が一つずつ手描きで作っているオリジナル作品とのことでした。

それにしても、「レストランと凧、つながりがよく分からないなぁ…」と思うでしょう。「凧の博物館」は、たいめいけんの初代、茂出木心護(モデギ シンゴ)さんの趣味が高じて作られたそうです。彼は料理人であり、凧の収集家でもありました。そのコレクションを博物館として公開しています。

様々な凧を眺めているうちに、幼い頃に凧揚げで感じた、空に上がる凧をぐいぐいと引く糸の感触を思い出しました。展示はバイリンガルではありませんが、腹ごしらえのついでに日本のアートとして手描きの江戸凧を外国の方々に紹介してみるのも面白いでしょう。

凧の博物館開館時間:平日11:00~17:00(日・祝休館)入場料:おとな200円/こども100円

0
0
这篇文章对你有帮助吗?
帮助我们改善 JapanTravel.com
回馈意见

请留言

Thank you for your support!

Your feedback has been sent.